マンションを購入する際、見落としがちなのが購入後の「固定資産税」です。
固定資産税は、マンションを所有する限り毎年支払う必要があり、家計に少なからず影響を与えます。
固定資産税の金額は、物件の築年数や評価額によって変動するため、購入時点でしっかりと理解しておくことが重要です。
この記事では、固定資産税の基本情報から計算方法、目安、減税措置まで詳しく解説します。また、価格帯別の具体的なシミュレーションも紹介しているので、自分に合った資金計画を立てやすくなるでしょう。
この記事は5分で読めます!対象はこのような方々です。
- マンションの固定資産税はいくらか知りたい
- 固定資産税の軽減措置について知りたい
- 固定資産税をいつ払うのか知りたい
- 価格帯が2000万円台の固定資産税を知りたい
- 価格帯が3000万円台の固定資産税を知りたい
- 価格帯が4000万円台の固定資産税を知りたい
- 価格帯が5000万円台の固定資産税を知りたい
マンションの固定資産税とは?
固定資産税とは、土地や建物などの不動産を所有している人に毎年課される税金のことです。
マンションの場合、以下の2つが課税対象となります。
- 各戸の専有部分:住戸そのものの評価額
- 敷地の共有持分:マンション全体の土地を住戸ごとの持分に応じて按分した部分
固定資産税の額は、市町村が算定した「固定資産税評価額」に基づいて計算されます。
税率は評価額の1.4%です。基本的に、固定資産税評価額は新築時が高めに設定されており、その後、築年数や経年劣化に応じて見直されます。
具体的に述べると、固定資産税評価は3年に1度の基準年度に見直されることが全国的に決まっています。
納税通知書は、毎年春ごろに自宅へ郵送され、4回に分けて支払うことが一般的です。
不動産を所有する限り、継続して支払わなくてはいけない税金なので、しっかり仕組みを理解しておきましょう。
マンションと一軒家の固定資産税の違い
固定資産税は、マンションと一軒家で税額の計算方法や負担の仕方に違いがあります。
マンションでは、敷地の持分を区分所有者で分割するため、土地部分の負担が比較的少ない傾向です。
一方で、一軒家の場合は共有者がいる場合を除き、土地や建物の持分を分割することはありません。
しかし、一軒家では「住宅用地の特例」が適用されやすく、結果としてマンションよりも固定資産税が低く抑えられる傾向があります。
例えば、小規模住宅用地(200㎡以下)では、評価額が1/6に軽減されるため、広い土地を所有していても負担が大幅に軽減されます。
固定資産税と都市計画税の違い
固定資産税と都市計画税は、どちらも不動産所有者に課される税金です。
しかし、それぞれの目的や税率は異なります。
税 | 用途 | 税率 |
---|---|---|
固定資産税 | 土地や建物を所有するすべての人に課され、道路や学校、公園などの公共サービスやインフラ整備の財源として使われる。 | 標準1.4% |
都市計画税 | 都市計画区域内の土地や建物に課され、都市計画事業や土地区画整理事業の財源となる。 | 最大0.3% |
都市計画税は固定資産税よりも低めの税率で設定されています。
このように、固定資産税と都市計画税は性質が異なる税金です。
納税通知書は固定資産税と都市計画税が合算されて届くため、まとめて支払うことになります。
マンションの固定資産税の目安はいくら?
新築マンションの場合、固定資産税は年間10万〜30万円が目安です。
ただし、マンションの固定資産税は、物件の評価額や築年数によって異なります。
一方で、中古マンションの場合は評価額が下がるため、税額も10万〜20万円程度に落ち着く傾向です。
マンションの評価額は新築時に高く設定されており、築年数が経つにつれて減少し、税額も徐々に減少していきます。
そのため、新築や築年数が浅いマンションを購入した場合、一軒家よりも固定資産税が高めになるケースが多いです。
マンションを購入を検討する際には、新築と中古で固定資産税がいくら違うのかも、調べておくといいでしょう。
マンションの固定資産税の計算方法


マンションの固定資産税の計算式は以下の通りです。
固定資産税=固定資産税課税標準額×標準税率(1.4%)
固定資産税=固定資産税課税標準額×標準税率(1.4%)
固定資産税課税標準額は、固定資産税における課税標準額のことです。
課税標準額は、市町村が決定した評価額に基づいて算出されます。
標準税率は、多くの市町村で1.4%が適用されています。
しかし、地域によっては標準税率が若干異なる場合もあるので、マンション購入前には確認が必要です。
自分が購入を検討している物件の評価額と税率を把握しておけば、将来的な税額の見通しが立てやすくなります。
特に高額な物件の場合、固定資産税が家計に与える影響は無視できないため、正確な試算が重要です。
マンションの固定資産税は減税できる?建物・住宅用地の軽減措置
マンションの固定資産税は、条件を満たすことで減税措置を受けられる可能性があります。賢く軽減措置を活用すれば、固定資産税の負担を最小限に抑えられます。
建物の軽減措置
建物の固定資産税には、新築や特定のリフォームを行った場合、一定期間税額が軽減される措置があります。
新築マンションの場合は税額が5年間半減され、長期優良住宅なら期間が7年に延長されます。
リフォームにおいては、耐震改修など一定の条件を満たせば、税金の軽減が受けられる仕組みです。
軽減措置の内容 | |
---|---|
新築マンション | 5年間は税額が1/2に軽減 |
新築マンションの長期優良住宅 | 7年間は税額が1/2に軽減 |
リフォーム | ・耐震工事の場合は翌年分の税額が1/2に軽減 ・バリアフリーまたは省エネ工事の場合は翌年分の税額が1/3に軽減 ・長期優良化工事の場合は翌年分の税額が2/3に軽減 |
建物の軽減措置は、令和8年3月31日まで適用されます。しかし、期限以降の継続は未定です。



新築戸建てであれば税額が3年間半減され、長期優良住宅なら期間が5年に延長となります。
住宅用地の軽減措置
建物だけではなく、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置もあります。
小規模住宅用地では評価額が6分の1に軽減されるため、固定資産税額が大幅に抑えられます。
一方で、一般住宅用地でも3分の1に評価額が軽減され、一定の税金負担軽減が可能です。
適用範囲 | 課税標準 | |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 評価額×1/6 |
一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 評価額×1/3 |
小規模住宅用の軽減措置は、面積が200㎡以下の部分に適用されます。
つまり、土地の面積が300㎡の場合は、200㎡が固定資産税評価額の1/6、100㎡は1/3が課税対象です。
【価格帯別】マンションの固定資産税のシミュレーション
マンションの固定資産税は、物件の価格によって異なります。
以下の条件をもとに、価格帯別の具体的なシミュレーションを説明します。
・税率:1.4% ・建物の評価額:建物購入価格の 60% ・土地の評価額:土地購入価格の 70% ・建物軽減措置:新築住宅は建物部分の固定資産税が3年間1/2
シュミレーションの注意点
- シュミレーションに共用部の項目はありません。実際には共用部の広さも固定資産税に影響します。
- 実際には物件がある地域や物件の状況によって金額が異なり、同じ建物内でも部屋によって差が生まれます。



シュミレーションはあくまで目安になります。
算出された金額は参考程度に済ませて、詳しくは検討中のマンションの販売担当へ必ず質問しましょう!
2,000万円の場合のシミュレーション
比較的コンパクトな新築マンションであれば、2,000万円程度で購入できます。
建物部分が1,300万円、土地部分が700万円の場合
建物評価額:1,300万円 × 60% = 780万円
土地評価額:700万円 × 70% = 490万円
固定資産税(建物):780万円 × 1.4% = 10.92万円
固定資産税(土地):490万円 × 1.4% = 6.86万円
建物評価額:1,300万円 × 60% = 780万円
土地評価額:700万円 × 70% = 490万円
固定資産税(建物):780万円 × 1.4% = 10.92万円
固定資産税(土地):490万円 × 1.4% = 6.86万円
合計税額(軽減前):10.92万円 + 6.86万円 = 17.78万円
合計税額(軽減後):10.92万円 ÷ 2 + 6.86万円 = 12.32万円
合計税額(軽減前):10.92万円 + 6.86万円 = 17.78万円
合計税額(軽減後):10.92万円 ÷ 2 + 6.86万円 = 12.32万円
新築住宅の軽減措置が適用される場合、建物部分の税額が3年間は半額となるため、合計税額は約12万円です。固定資産税の支払いは年4回なので、軽減中は1回あたり約30,800円、軽減が終了すると1回あたり約44,450円となります。
3,000万円の場合のシミュレーション
3,000万円は、マンション購入での平均的な価格帯です。
建物部分が2,000万円、土地部分が1,000万円の場合
建物評価額:2,000万円 × 60% = 1200万円
土地評価額:1,000万円 × 70% = 700万円
固定資産税(建物):1200万円 × 1.4% = 16.8万円
固定資産税(土地):700万円 × 1.4% = 9.8万円
建物評価額:2,000万円 × 60% = 1200万円
土地評価額:1,000万円 × 70% = 700万円
固定資産税(建物):1200万円 × 1.4% = 16.8万円
固定資産税(土地):700万円 × 1.4% = 9.8万円
合計税額(軽減前):16.8万円 + 9.8万円 = 26.6万円
合計税額(軽減後):16.8万円 ÷ 2 + 9.8万円 = 18.2万円
合計税額(軽減前):16.8万円 + 9.8万円 = 26.6万円
合計税額(軽減後):16.8万円 ÷ 2 + 9.8万円 = 18.2万円
軽減措置前の固定資産税額は約26万円です。しかし、新築住宅の建物部分に軽減措置が適用されることで、固定資産税額が約18万円に抑えられます。
軽減中は1回あたり約46,500円、軽減が終了すると1回あたり約66,500円となります。
4,000万円の場合のシミュレーション
4000万円も、マンション購入では一般的な価格となりますが十分な広さのある間取りが多いでしょう。
4,000万円のマンションは評価額が上がるため、固定資産税も安くありません。
建物部分が約2,600万円、土地部分が約1,400万円の場合
建物評価額:2,600万円 × 60% = 1,560万円
土地評価額:1,400万円 × 70% = 980万円
固定資産税(建物):1,560万円 × 1.4% = 21.84万円
固定資産税(土地):980万円 × 1.4% = 13.72万円
建物評価額:2,600万円 × 60% = 1,560万円
土地評価額:1,400万円 × 70% = 980万円
固定資産税(建物):1,560万円 × 1.4% = 21.84万円
固定資産税(土地):980万円 × 1.4% = 13.72万円
合計税額(軽減前):21.84万円 + 13.72万円 = 35.56万円
合計税額(軽減後):21.84万円 ÷ 2 + 13.72万円 = 24.64万円
合計税額(軽減前):21.84万円 + 13.72万円 = 35.56万円
合計税額(軽減後):21.84万円 ÷ 2 + 13.72万円 = 24.64万円
軽減前の固定資産税は約35万円、適用されることで約24万円に抑えられるます。
軽減中は1回あたり61,600円、軽減が終了すると1回あたり88,900円となります。
5,000万円の場合のシミュレーション
5,000万円と高価格帯のマンションを購入する場合、固定資産税は軽減措置が適用されても高額です。
建物部分が約2,600万円、土地部分が約1,400万円の場合
建物評価額:3,300万円 × 60% = 1,980万円
土地評価額:1,700万円 × 70% = 1,190万円
固定資産税(建物): 1,980万円 × 1.4% = 27.72万円
固定資産税(土地):1,190万円 × 1.4% = 16.66万円
建物評価額:3,300万円 × 60% = 1,980万円
土地評価額:1,700万円 × 70% = 1,190万円
固定資産税(建物): 1,980万円 × 1.4% = 27.72万円
固定資産税(土地):1,190万円 × 1.4% = 16.66万円
合計税額(軽減前): 27.72万円 + 16.66万円 = 44.38万円
合計税額(軽減後):27.72万円 ÷ 2 + 16.66万円 = 30.52万円
合計税額(軽減前): 27.72万円 + 16.66万円 = 44.38万円
合計税額(軽減後):27.72万円 ÷ 2 + 16.66万円 = 30.52万円
軽減中の固定資産税額は約30万円、1回の支払いで見ると76,000円になります。軽減措置がなくなると、1回あたりの支払額は112,075円です。
もちろん、築年数が経過すれば、評価額も固定資産税額も下がります。しかし、いずれにしても安くない固定資産税を支払う必要があります。マンションの購入時には家計への影響を考慮し、計画的に支払いの準備をしておきましょう。



ここまでで価格帯ごとのシュミレーションをご紹介しましたが、シュミレーション上の注意点はお忘れなく!


\ 主要駅から徒歩10分前後の駅近物件ございます! /
固定資産税の支払い時期と支払い方法
固定資産税の支払いは、原則として年1回の一括払いです。しかし、年4回に分けた分割払いも選べます。
一括払いの場合は5月が納付期限で、分割払いの場合は5月、7月、12月、翌年2月の計4回に分けて支払います。
支払い方法は、市役所や金融機関の窓口での支払い、口座振替、インターネット決済などから選択可能です。QRコード決済や電子マネー、クレジットカードによる支払い方法でも納税できます。
分割払いの場合は、支払い期限を忘れやすいので、口座振替に設定しておくといいでしょう。
固定資産税の支払いに関するまとめ
- 原則としては年1回の一括払いだが、年4回の分割払いも可能。
- 支払いのタイミングは、一括払いの場合は5月、分割払いの場合は5月、7月、12月、翌年の2月となる。
- 支払い方法は、市役所や金融機関の窓口、口座振替、インターネット決済などから選べる。
マンションの固定資産税でよくある質問
固定資産税を滞納したらどうなる?
固定資産税を滞納すると、納付期限を過ぎて約20日以内に督促状が届きます。督促状が届いた段階で支払えば、問題ありません。
しかし、督促状が来ても支払わないでいると、延滞税が発生します。
さらに未払いが続く場合は、不動産が差し押さえられ、最悪の場合は競売にかけられるリスクもあります。
固定資産税の支払いが難しい場合は、滞納が家計に大きな悪影響を及ぼす前に、自治体の窓口で相談することが重要です。
適切な対応を早めに取ることで、深刻な事態を避けられるでしょう。
固定資産税はマンションで平均いくらくらいですか?
新築マンションの場合、固定資産税は10万円~30万円程度と金額幅が広いです。実際の税額はさまざまな要因によって変動します。
固定資産税の税額を決める要素
- 資産への評価
- 税率と課税標準
- 特例措置と減額措置
これらの要素が複合的に作用して固定資産税が決まります。
こちら記事では価格帯別のシュミレーションも記載しております。


マンションの固定資産税を知って余裕を持った資金準備をしよう
マンションの固定資産税は、購入後の家計に大きな影響を及ぼします。
しかし、減税措置を利用すれば、負担を軽減することが可能です。この記事で紹介した知識をもとに、固定資産税に関する理解を深め、マンション購入前後の資金計画を立てましょう。
マンション購入に関するご相談は、愛知県岡崎市のハウスメーカー『フジケン』までお問い合わせください。フジケンは、三河エリアにおけるマンション供給戸数No.1です。豊富なノウハウを生かし、理想の住まい選びを全力でサポートいたします。