マンションを購入する際、駐車場の有無は暮らしの利便性を左右する重要なポイントです。また、駐車場代は毎月支払い続ける必要があるため、家計にも大きく影響します。
本記事では、マンションの駐車場の種類や料金相場を分かりやすくまとめました。さらに、駐車場の選び方や契約時のポイント、よくあるトラブルと対処法も紹介します。最後まで読めば、駐車場をスムーズに選び、マンションに住み始めた後のトラブルを防げるでしょう。


マンションの駐車場は必ず使える?


マンションを購入すると、敷地内の駐車場を利用できると思っている方も多いでしょう。しかし、建築基準法上ではマンションに駐車場の設置義務はなく、必ずしも使えるわけではありません。
また、大型のマンションでは駐車場を設置しているケースが多いものの、住戸数よりも少なければ、利用できない可能性もあります。駐車場の利用者は、先着順で決めるのが主流です。マンションの販売開始から時間が経過している場合、すでに駐車場に空きがない可能性が高いでしょう。
そのため、車の所有者がマンションを購入する際には、駐車場の空き状況を事前に確認する必要があります。もしも駐車場がいっぱいであれば、将来的に空きが出る見込みがあるか、管理会社や管理組合に相談しておくと良いでしょう。
マンションの駐車場に空きがない場合の対処法


マンションの駐車場に空きがない場合は、周辺で月極駐車場を探す必要があります。月極駐車場の情報サイトで検索したり、不動産会社に相談したりして探しましょう。
事前に通勤や買い物などのルートを確認し、利便性が高い場所を選ぶのがポイントです。ただし、購入するマンションが駅周辺や繁華街にある場合は、周辺に駐車場が少ないことも多いため、少し離れた場所も含めて探すとスムーズです。
併せて、マンションの駐車場の管理会社に連絡し、空きが出た場合は優先的に契約できるよう登録しておくといいでしょう。入居者が転居する際や、新しい駐車区画が追加された際に、すぐに契約できる可能性が高まります。
また、カーシェアを利用するのも、ひとつの方法です。車の利用が短時間だったり、頻度が少なかったりする場合は、カーシェアを利用することで駐車場代の節約にもなります。
マンションの駐車場の種類
マンションの駐車場には、主に以下の3種類があります。駐車場の種類によって、利便性やコストが異なるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
マンション駐車場の種類
- 平置き駐車場
- 自走式立体駐車場
- 機械式立体駐車場
平置き駐車場


平置き駐車場は平地に駐車するタイプの駐車場で、最もシンプルな形態です。『平面駐車場』とも呼ばれており、広い面積が必要になるため、郊外や地方のマンションに多く設置されています。
平置き駐車場は、車の出し入れが容易なのが特徴です。車の運転に慣れていない人でも、安心して利用できるでしょう。しかし、屋根や壁がないケースが多いため、車に汚れや傷などがつきやすいことがデメリットです。
平置き駐車場のメリット4つ
- 駐車場へ出入りしやすい
- 車高制限がないため、大型車やSUV、ワンボックスカーなども駐車可能
- 機械的な装置を使わないため、維持費やメンテナンスの手間が少なく済む
- 故障のリスクがほぼないため、長期間安定して利用できる
平置き駐車場のデメリット4つ
- 車に汚れや傷がつきやすい
- 屋根がない場合は、雨や風の影響で車の劣化が早まる可能性がある
- 盗難やいたずらのリスクがある
- 立地や需要によっては月額費用が高くなることもある
自走式立体駐車場


自走式立体駐車場は、建物や鉄骨が組まれて造られた駐車場です。駐車場内には複数の階層があり、スロープを走行して自分で駐車します。
地下やマンションに隣接する形で設置されるため、住居からの距離が遠くなる可能性もあることはデメリットです。しかし、マンションの敷地を有効活用できるため、多くの台数を収容できますし、天候を気にせず駐車できます。
自走式立体駐車場のメリット3つ
- 雨の日でも車に乗り降りしやすい
- 建物内に設置されているため防犯性が高い
- 駐車可能台数が多く契約できる可能性も高い
自走式立体駐車場のデメリット3つ
- 駐車スペースによっては移動距離が長くなり、特に上層階は時間がかかる
- エレベーターを利用する場合は混雑時には待ち時間が発生する可能性がある
- 階層によって料金が高くなることがある
機械式立体駐車場


機械式立体駐車場は、車を『パレット』と呼ばれる台に乗せ、機械で昇降・移動させる方式の駐車場です。平置き駐車場に比べて、省スペースでも多くの車を収容できるため、特に都市部のマンションに多く設置されています。
構造上、車や駐車場を第三者が利用したり、イタズラをされたりするリスクが低いことがメリットです。一方で、車の移動が機械式であるため、故障したら利用できなくなるなどの注意点もあります。
機械式立体駐車場のメリット2つ
- 防犯性が高く、車上荒らしや盗難のリスクが低い
- 機械式なので第三者が利用しにくい
機械式立体駐車場のデメリット3つ
- 駐車スペースが2段目以上の場合、入出庫に時間がかかる
- 故障時に車が出せなくなるリスクがある
- 利用できる車のサイズに制限がある


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マンションの駐車場の料金はいくら?平均・相場を紹介


マンションの駐車場料金は、物件やエリアによって大幅に異なります。地方都市の駐車場料金は3,000〜5,000円、都市部の場合は10,000〜50,000円が目安です。土地に限りがある都市部では、駐車場の料金が高額になることが多いため、マンションを購入する前に必ず確認しましょう。
また、駐車場の種類によっても料金が変わります。平置き駐車場は利便性が高く、広いスペースが必要になるため、最も料金が高い傾向です。自走式立体駐車場は、中間的な料金設定で、比較的コストを抑えられます。機械式立体駐車場は出し入れに時間がかかるため、料金が安めに設定されている場合が多いです。
しかし、機械式立体駐車場は駐車場の料金以外に、メンテナンス費用がかかるケースもあります。駐車場のメンテナンスや清掃などの費用は、駐車場代に含まれているのか、別途かかるのかを確認しておきましょう。また、マンションの駐車場には契約条件があり、1度契約すると解約時に手数料が発生する場合もあるため、事前に契約内容をしっかりチェックすることもポイントです。




マンションの駐車場でよくあるトラブルと予防策


マンションの駐車場でよくあるトラブル5つ
- 無断駐車
- 駐車スペースのはみ出し
- 車上荒らし
- 故障による出庫不可
- 敷地内での事故
マンションの駐車場では、上記のようなトラブルが発生することがあります。特に、無断駐車や機械式駐車場の故障による出庫不可など、日常的に起こりうる問題を未然に防ぐために、予防策を知っておくことが重要です。適切な管理や事前の対策を講じることで、安心して駐車場を利用できます。
無断駐車
マンションの駐車場で特に多いトラブルが、無断駐車です。来訪者や他の住民が勝手に自分の駐車スペースを使用することで、トラブルに発展することがあります。
無断駐車を発見した場合は、相手と直接やりとりするのではなく、管理組合や管理会社に報告し、適切な対応を依頼するのが望ましいです。管理組合や管理会社が間に入ることで、当事者間のトラブルを防止できますし、張り紙をするなど再発防止の対策をしたりしてくれることもあります。車にドライブレコーダーが設置されている場合、映像を証拠として提出すれば、迅速な対応を期待できるでしょう。
無断駐車の予防策
- ドライブレコーダーの設置
- 管理組合や管理会社へ張り紙の掲示をしてもらう
駐車スペースのはみ出し
隣の駐車場の車が、自分の駐車スペースにはみ出して停められていると、乗り降りがしにくくなり、ストレスを感じることがあります。また、ドアの開閉時に、うっかり隣の車にぶつけてしまうかもしれません。
駐車スペースのはみ出しについても、無断駐車と同様に管理組合や管理会社に相談するのがベストです。状況に応じて、駐車場の白線を見やすくする、注意喚起の掲示を行うなど、トラブル防止策を講じてもらうといいでしょう。
駐車スペースのはみ出しの予防策
- 管理組合や管理会社へ張り紙の掲示をしてもらう
車上荒らし
マンションの駐車場でも、車内の荷物を盗まれたり、車に傷をつけられたりする可能性があります。車内には貴重品を置かない、ハンドルロックを利用する、ドライブレコーダーを設置するなどの防犯対策を行うのがおすすめです。
車上荒らしは個人での解決が難しいので、万が一被害に遭った場合は速やかに警察へ通報し、管理会社にも報告しましょう。住民同士で情報を共有し、不審者を見かけた際にすぐに報告できる体制を整えることで、防犯性を強化できます。また、管理組合と協力し、防犯カメラの設置やセンサーライトの導入を検討するのも有効な対策です。
車上荒らしの予防策
- 住民同士で情報を共有し、不審者を見かけた際にすぐに報告できる体制を整える
- 防犯カメラの設置やセンサーライトの導入
故障による出庫不可
機械式駐車場を利用していると、システムの故障によって車を出せなくなることがあります。大切な用事があるときにシステムの故障が発生すると、大きなトラブルになりかねません。
契約前に駐車場のメンテナンス頻度や、緊急時の対応スピード、管理会社の緊急連絡先を確認しておきましょう。機械式駐車場の利用に不安がある場合は、マンションの近くで月極駐車場を借りると安心です。
無断駐車の予防策
- 駐車場のメンテナンス頻度を確認
- 緊急時の対応スピードを確認
- 管理会社の緊急連絡先を把握
敷地内での事故
マンションの駐車場は、建物によって見通しが悪かったり、歩行者の通行があったりするため、事故が発生することもあります。駐車場内を運転する際は、十分な安全確認を行い、徐行運転を心がけましょう。また、小さなお子さんがいる家庭では、駐車場内で遊ばないよう注意を促すことも大切です。
さらに、駐車場内にミラーや標識を設置し、視認性を向上させることで事故のリスクを軽減できます。管理組合と協力し、定期的にマンション敷地内の安全点検を実施することで、住民全員が安心して利用できる環境を整えるといいでしょう。
無断駐車の予防策
- 駐車場内にミラーや標識の設置



どのトラブルにたいしても、管理会社との連携が必要となりそうですね!
マンションの駐車場を利用する際の注意点


マンションの駐車場を利用する際の注意点3つ
- 駐車場の権利を確認する
- 空き駐車場の状況を知っておく
- 水害対策をする
マンションの駐車場を利用する際には、契約内容や駐車場の管理状況をしっかりと確認しておくことが重要です。特に、駐車場の権利関係や維持管理の問題について理解しておくことで、将来的なトラブルを防げます。
駐車場の権利を確認する
分譲マンションを購入しても、駐車場の契約形態は賃貸であることが一般的です。マンションを購入したからといって、駐車場を利用する権利が付与されるわけではありません。事前に駐車場の契約条件を確認し、利用できるかどうかを明確にしておきましょう。
将来的に駐車場の利用権が変更される可能性についても、管理組合に確認しておくことが重要です。駐車場の契約更新時期や、料金の変動についても事前に確認したうえで利用しましょう。
空き駐車場の状況を知っておく
近年、都市部では車の所有率が減少しており、駐車場に空きがあるケースが増えています。駐車場に空きがあるのは喜ばしいことに感じるかもしれません。しかし、駐車場に空きが増えると維持管理費の高騰や、毎月の利用料金にも影響を与える可能性があります。
管理費の増額や駐車場の用途変更が検討されることもあるため、空き状況を定期的に確認し、管理組合の動向に注意を払うことが大切です。もしも駐車場の料金や管理費が大幅に値上げされそうであれば、マンション周辺の駐車場を利用することも、検討するといいでしょう。
水害対策をする
機械式立体駐車場の場合、大雨や台風などの影響で水没する可能性があります。特に、地下に駐車場が設置されている場合、大雨の際に水が流れ込み、車が水没するリスクが高まります。
万が一の事態に備え、自動車保険の補償内容を手厚くしておくことや、管理組合と連携して防災対策を講じることが重要です。自動車保険では、豪雨や洪水などによる水没であれば、車両補償で保険金が下ります。
マンションの駐車場の特徴を理解して自分に合った家を選ぼう
マンションの駐車場にはさまざまな種類や契約形態があり、それぞれメリットとデメリットがあります。契約前に駐車場の種類や利用条件をしっかり確認し、日々の利便性を考慮したうえで検討しましょう。また、トラブルのリスクを減らすために、管理組合のルールを把握し、個人でも防犯対策を講じることも大切です。
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