「新築マンションを購入したいけれど、初期費用がいくら必要なのか不安」と感じている方は多いのではないでしょうか。新築マンションを購入する際には、物件価格だけでなく、頭金や諸費用などの「初期費用」が発生します。
最初にまとまったお金を用意する必要があるため、費用の全体像を把握しておくことは非常に重要です。しかし、初期費用は物件の価格帯やローンの組み方によって大きく変動するので、具体的な金額をイメージしにくいものです。
本記事では、新築マンション購入時に必要となる初期費用や内訳、費用を抑える工夫まで詳しく解説します。この記事を読めば、資金計画の不安を解消し、安心してマイホーム探しを進められるでしょう。




新築マンション購入時の初期費用の相場はいくら?


新築マンション購入時に必要となる初期費用の相場は、購入価格の3%〜5%が目安です。中古マンションの場合は、仲介手数料などが加わるため、相場は6〜8%と新築マンションより高くなります。
例えば4,000万円の新築マンションを購入する場合は、初期費用として120万円〜200万円が必要になる計算です。
新築マンション購入時の初期費用の内訳


新築マンション購入時の初期費用は、主に「頭金」「手付金」「諸費用」の3つの要素で構成されています。
新築マンション購入時の初期費用の内訳
- 頭金
- 手付金
- 諸費用
頭金
頭金とは、マンション購入価格のうち、住宅ローンを借りる前に自己資金として支払う金額を指します。 一般的には、物件価格の10%程度が頭金の目安です。多く支払うほど住宅ローンの借入額が減り、月々の返済や利息負担を抑えられます。
住宅金融支援機構「2024年 フラット35利用者調査」によれば、頭金を1割以上支払う人が半数以上を占めています。しかし、頭金をどの程度準備できるかは、家計状況やライフプランによって異なるでしょう。頭金を多めに支払うメリットを考慮したうえで、資金計画を立てましょう。
手付金
手付金は売買契約時に売主へ支払う費用で、購入の意思を示す保証金のような役割を持ちます。一般的には、物件価格の5〜10%程度が相場です。例えば4,000万円の新築マンションでは、手付金は200万円〜400万円ほど※になります。
※販売業者によってことなります。
契約後に買主の都合で解約する場合、手付金を放棄しなければなりません。一方、売主の都合で解約となる場合は、支払った金額の倍額が返還される仕組みです。なお、解約されなければ、最終的には物件価格の一部に充当されます。手付金は契約を担保する役割を果たすため、必要資金として必ず準備しておく必要があります。
諸費用
諸費用は、物件本体価格以外に必要となる費用の総称です。 具体的には、登記費用、住宅ローン関連費用、火災保険料、修繕積立基金、管理準備金などが含まれます。
新築マンションの場合、諸費用は物件価格の3%〜5%程度が目安です。諸費用は、住宅ローンに組み込めないものや、現金での支払いが必須となるものが多いため、計画的に準備しておきましょう。
新築マンション購入時の諸費用の内訳


新築マンション購入時の諸費用は多岐にわたります。具体的な内訳を把握しておきましょう。
住宅ローン関連
住宅ローン関連の費用では、主に住宅ローン事務手数料、ローン保証料、印紙税、火災保険料がかかります。 これらは借入額やローンの種類によって大きく変動するため、事前に確認が必要です。
住宅ローン事務手数料 | 定額制(3万円〜5万円程度)か、融資額の1〜3%程度が多い。金融機関によって大幅に異なるケースもある。 |
---|---|
ローン保証料 | 融資額の1〜2%程度を一括で支払うか、金利に上乗せして支払う方式がある。ネット銀行などでは、保証料が不要なケースもある。 |
印紙税 | 課税対象となる契約書に定額でかかる税金。契約書に記載された借入額によって税額が変わる。 |
火災保険料 | 補償内容、契約期間、建物の構造などによって変動する。一般的に、10年契約で20万円〜40万円程度。住宅ローンの契約にあたって、火災保険の加入必須としている銀行が多い。 |
不動産登記関連
不動産登記関連では、主に司法書士への報酬と登録免許税がかかります。 これらは、購入した新築マンションが、正式に自分の所有物になったことを公的に証明するために必要な手続きです。
司法書士報酬 | 不動産の所有権移転登記や、住宅ローンの抵当権設定登記を司法書士に依頼するための費用。3万円〜12万円程度が目安。 |
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登録免許税 | 登記を行う際に国に納める税金。税率は、登記の種類(所有権移転、抵当権設定など)や建物の評価額、借入額によって異なる。軽減措置の適用もある。 |
税金関連
新築マンションの購入時には、不動産取得税、固定資産税・都市計画税といった税金もかかります。 これらの税金は、購入後すぐに納付義務が発生するわけではありません。しかし、特に不動産取得税は安くない金額なので、資金計画に含めておくべき費用です。
不動産取得税 | 不動産を取得したときに、1度だけ都道府県に納める税金。購入後数カ月~1年ほどで納付書が届く。不動産の評価によって税金を計算するため、土地や建物の価値が高いほど高額になる傾向。 |
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固定資産税・都市計画税 | 毎年1月1日時点の不動産所有者に課税される税金。物件の引渡し日を境に、売主と日割り精算することが一般的。都市計画税は、市街化区域内にある不動産のみに課税される。 |
その他の費用
新築マンションの購入時には、引っ越し費用や家具・家電の購入費用、修繕積立基金などが必要になります。 引っ越し費用は見積もりを取り、家具・家電の購入についても予算を組んでおくことが大切です。
引っ越し費用 | 荷物の量や移動距離、時期によって変動。特に3月・4月などの繁忙期は高くなる。10万円〜50万円程度が目安。 |
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家具・家電購入費用 | 新しい生活に合わせて買い替えが必要な場合にかかる。予算は数万円〜数百万円と幅広く、計画的な購入が求められる。 |
修繕積立基金 | 新築マンションの引渡し時に支払う費用。将来の大規模修繕に備えるためのもので、通常は数十万円程度。 |
管理準備金 | マンション管理組合の初期運営費用。数万円程度が目安。 |
新築マンション購入時の各費用を支払うタイミング


新築マンション購入時の初期費用や諸費用は、契約から引き渡し、入居後と、支払いのタイミングが異なります。 費用をいつまでに準備すべきかを把握し、資金計画を立てる際の参考にしてください。
支払いのタイミング | 費用項目 | 費用の目安(4,000万円のマンションの場合) |
---|---|---|
契約時 | 手付金、印紙税(売買契約書) | 200万円〜400万円(物件価格の5〜10%) |
ローン契約時 | 印紙税(金銭消費貸借契約書) | 2万円〜4万円程度 |
引渡し・決済時 | 頭金(残金)、諸費用(ローン事務手数料、保証料、登記費用、火災保険料、修繕積立基金など) | 物件価格の残額と諸費用を合わせた金額 |
入居前後 | 引っ越し費用、家具・家電購入費用 | 予算による |
入居後 | 不動産取得税、固定資産税・都市計画税 | 数カ月後に納付書が届く(軽減措置の適用で変動) |
このように、最もまとまった現金が必要になるのは、契約時と引渡し・決済時です。特に手付金は、契約時に現金または振込で即座に必要となるため、早い段階で準備しておく必要があります。
新築マンション購入時の初期費用のシミュレーション
ここでは、具体的な初期費用のシミュレーションを行います。以下の前提条件で、4,000万円の新築マンションを購入するケースを想定しました。
【前提条件】
・物件価格:4,000万円
・頭金:400万円(手付金200万円含む)
・住宅ローン借入額:3,600万円
【計算式と諸費用内訳】
費用項目 | 計算式・相場 | 概算費用 |
---|---|---|
頭金(手付金を含む) | 物件価格×10% | 400万円 |
ローン事務手数料 | 借入額×2% | 72万円 |
ローン保証料 | 借入額×2% | 72万円 |
登記費用 | 司法書士報酬:8万円 抵当権設定登記:3,600万円×0.1%=36万円 土地の所有権移転登記:1,200万円×1.5%=18万円 建物の所有権保存登記:2,800万円×0.15%(軽減税率)=4万2,000円 | 66万2,000円 |
火災保険料 | 10年一括払い・地震補償付きを想定 | 30万円 |
印紙税 | 1万円×2枚 | 2万円 |
修繕積立基金・管理準備金 | 修繕積立基金が30万円、管理準備金2万円と仮定 | 32万円 |
合計 | 約674万円 |
4,000万円のマンションを購入する場合、初期費用として674万円の現金が必要になることがわかります。
ただし、ローン事務手数料やローン保証料や、金融機関によって差があります。マンションによっては、修繕積立基金・管理準備金もシミュレーションより高額になるかもしれません。新築マンションの購入を検討し始めたら、まずは自己資金の準備額とローンの試算を行うことが重要です。
新築マンション購入時の初期費用が支払えない場合の対処法
自己資金で初期費用を払えない場合も、新築マンションの購入は可能です。 以下の方法を検討することで、資金を用意できる可能性があります。
対処法 | メリット・デメリット |
---|---|
親族から援助を受ける | メリット:贈与税の非課税特例制度などを活用できる場合があり、自己資金を大幅に増やせる デメリット:親族との間で金銭的なトラブルに発展しないよう、事前に条件を明確にする必要がある |
購入計画を見直す | メリット:物件価格を抑えることで、初期費用の割合も連動して下げられる デメリット:希望する条件の物件に出会えない可能性がある |
諸費用ローンやフルローンを検討する | メリット:自己資金が少なくても物件を購入できる デメリット:借入額が増えるため、月々の返済額や総支払利息が増加し、審査が厳しくなる可能性もある |
新築マンション購入時の初期費用を抑えるポイント


新築マンション購入時の初期費用は、いくつかのポイントに注意することである程度は抑えることが可能です。
新築マンション購入時の初期費用を抑えるポイント
- 仲介手数料の安い不動産会社を選ぶ
- 火災保険や地震保険は内容を吟味する
- 保証料や手数料も加味して住宅ローンを決める
- 繁忙期を避けて引っ越す
仲介手数料の安い不動産会社を選ぶ
仲介手数料は、売買が成立した際に不動産会社に支払う報酬です。法律で、仲介手数料の上限は「物件価格の3%+6万円+消費税」と定められています。 ただし、高額な物件では仲介手数料が大きな負担になることがあります。
不動産会社によっては、仲介手数料を割引したり、無料としていたりするので、複数の会社を比較することが大切です。なお、新築マンションを売主から直接購入する場合は、仲介手数料がかかりません。不動産会社の信頼性とサポート体制を確認しつつ、手数料を抑えることで、初期費用を節約しましょう。


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火災保険や地震保険は内容を吟味する
火災保険や地震保険は、補償範囲や契約年数によって保険料が大きく変わります。必要以上に広い補償を付けると、費用が高額になりがちです。 立地条件や建物構造を踏まえて必要十分な補償内容を選び、保険料を抑えましょう。
また、比較サイトを活用して、複数の見積もりを取り寄せることも有効です。無駄な補償を省きつつ、安心できる保険に加入でき、初期費用の負担を抑えられます。
保証料や手数料も加味して住宅ローンを決める
住宅ローンは、金利だけでなく、保証料や事務手数料といった諸費用にも大きな差があります。 低金利な住宅ローンを選んでも、保証料や事務手数料が高ければ、総支払額が高くなるケースがあります。
そのため、金利と合わせて、初期費用を含めたトータルコストで比較することが重要です。ネット銀行など、保証料が不要かつ事務手数用が安い住宅ローンを選べば、初期負担を軽減できるでしょう。
繁忙期を避けて引っ越す
引っ越し業者は、3月や4月などの繁忙期には料金が高騰しやすくなります。 また、引渡し時期が集中する時期でもあるため、注意が必要です。
オフシーズンである平日や閑散期を狙って引っ越しを行えば、費用が大幅に抑えられるうえに、希望日時で予約を取りやすくなります。繁忙期を避け、計画的にスケジュールを組むことで、初期費用を効率的に節約できるでしょう。
新築マンションの初期費用を把握して家選びの参考にしよう
新築マンションを購入する際には、物件価格以外に初期費用が必要であることを理解しておくことが大切です。頭金や手付金、諸費用の内訳を把握し、支払いタイミングを考慮することで、資金計画が立てやすくなります。また、費用を抑える工夫を取り入れれば、負担を軽減しながら理想の住まいを実現できるでしょう。
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