4人家族の生活費は平均いくら？抑える方法やポイントも解説

子どもが増えると、生活費は思っている以上にかさみます。特に、4人家族になると食費・教育費・住宅費などが一気に増え、家計を圧迫することも少なくありません。「平均的な生活費はいくらなのか」「どこを見直せば節約できるのか」を把握することが、家計管理において重要になります。

本記事では、総務省の最新データを基に、4人家族の生活費の平均をまとめました。さらに子どもの年齢別の具体的な費用、今日から実践できる効果的な節約術とポイントを徹底解説します。最後まで読んで、無理がないマイホーム計画と、安心できる家計管理を実現しましょう。

4人家族の生活費は平均いくら？

総務省が発表した「家計調査報告（2024年）」によると、4人家族の1ヶ月あたりの平均的な生活費は32〜36万円です。この生活費には、食費や住居費、教育費、衣類の購入費などが含まれています。それぞれの費用項目でいくらかかるのか、以下の表で確認しましょう。

費目	1ヶ月の平均支出額 （4人家族・勤労者世帯）
食費	92,033円
住居費（家賃・修繕費など）	17,642円 ※住宅ローンの返済は54,331円
光熱・水道費	22,274円
家具・家事用品	11,810円
衣類や履物	12,696円
保健医療（医薬品など）	13,337円
交通・通信費	48,810円
教育費	27,437円
教養娯楽費（書籍購入・旅行など）	35,919円
その他（理美容、交際費など）	43,539円
支出合計	325,499円

支出の内訳を見ると、食費と住居費が特に大きな割合を占めていることがわかります。しかし、平均額は、あくまで統計上のデータです。共働き世帯では、交通費が増える傾向があり、専業主婦世帯では在宅時間の増加によって光熱費が上がることもあります。

出典：家計調査報告（2024年） 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表｜総務省

【エリア別】4人暮らしの家賃相場

さきほどの表では、持ち家のローンを完済した方も含まれている可能性があり、20・30代の子持ち4人家族の感覚とは乖離がありそうです。賃貸マンションの家賃相場はいくらでしょうか。4人暮らしが必要とする部屋の広さを大型ファミリー向きの70㎡超として考えてみましょう。

賃貸マンションの平均家賃（70㎡超）

賃貸マンションの家賃相場になります。大阪府大阪市、愛知県名古屋市、神奈川県、宮城県仙台市以外のエリアでは、前年同期比で家賃が値上がりしていました。※2025年8月時点

エリア	家賃相場
北海道札幌市	144,120円
宮城県仙台市	133,322円
埼玉県	164,375円
千葉県	159,501円
東京23区	392,192円
東京都下	191,969円
神奈川県	204,523円
愛知県名古屋市	150,984円
京都府京都市	193,054円
大阪府大阪市	257,126円
兵庫県神戸市	144,319円
広島県広島市	122,293円
福岡県福岡市	185,982円

参照：アットホーム調べ 「家賃動向 全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向（2025年8月）」

子どもの年齢別にかかる生活費

子どもの成長段階に応じて、必要な生活費は大きく変動します。特に、教育費や子育てに関連する費用は、家計に与える影響が大きいため、将来を見据えた計画的な準備が必要です。

妊娠中

妊娠中は、定期的な検診や検査が必要になるため、医療費が増加する傾向があります。お腹の赤ちゃんの健やかな発育のために、栄養バランスを考慮した食事も欠かせません。そのため、妊娠中は食費も多くなる場合があります。また、マタニティ用品やベビー用品の購入でも、まとまった支出が発生するので、家計管理の工夫が必要です。

厚生労働省の資料によると、2023年の出産にかかる平均費用は約50万円でした。出産費用は、入院料や分娩料が含まれ、ベビー用品などとは別にかかります。しかし、出産育児一時金などの公的助成制度を利用すれば、実質的な自己負担額を50万円よりも安く抑えられます。

参考：出産費用の状況等について｜厚生労働省

未就学児

未就学児を持つ家庭では、主に幼稚園、保育所、認定こども園などの保育・教育費用がかかります。2019年には、幼児教育・保育の無償化が導入されました。しかし、給食費や通園送迎費、行事費などは、引き続き保護者の負担です。

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査の結果」によると、公立幼稚園にかかる費用は年間18万4,646円、私立幼稚園にかかる費用は年間34万7,338円が平均です。共働き世帯で保育園を利用する場合は、延長保育料などが必要になるケースもあるため、事前に料金を確認しておくといいでしょう。

出典：令和5年度子供の学習費調査の結果｜文部科学省

小・中・高校生

子どもが小学生になってからは、習い事や塾などの学校外活動費が大幅に増えるため、未就学児よりもさらに教育費がかさみます。文部科学省「令和5年度子供の学習費調査の結果」のデータをもとに、学校での教育費、給食費、学校外活動費の年間平均額をまとめました。

	公立	私立
小学生	336,265円	1,828,112円
中学生	542,475円	1,560,359円
高校生	597,752円	1,030,283円

私立校の学費は高く、小学生では1年あたりの学費が公立校の5倍以上もかかります。中学・高校と成長するにつれて、公立校と私立校の学費の差は狭まる傾向です。

とはいえ、私立校の学習費が高額であることは変わりません。私立校への入学を検討する場合は、資金の計画的な準備と家計管理がより重要になります。

出典：令和5年度子供の学習費調査の結果｜文部科学省

大学生

子どもが大学に進学する場合は、教育費の負担がさらに大きくなります。大学の授業料や入学金に加え、1人暮らしをする場合は仕送りや生活費、交通費などが別途必要です。旺文社「2024年度 大学の学費平均額」をもとに、大学の初年度納付金の平均額をまとめました。

	入学金	授業料	合計
国公立大学	232,000円	535,800円	約81.7万円
私立大学	240,000円	1,880,000円	約122.9万円

自宅外通学の場合は、家賃や生活費も加わり、年間200万円近くかかるケースもあります。また、私立大学の理系・医歯系は特に高額になるため、計画的な貯蓄が必須です。

出典：2024年度 大学の学費平均額｜旺文社

4人家族の生活費を抑える方法

生活費の中でも、工夫次第で支出を抑えられる項目は多くあります。ここでは、家計管理から固定費・変動費の見直しまで、効果的な節約方法を紹介します。

家計管理で収支を把握する

節約の第一歩は、食費・光熱費・娯楽費などを分類し、支出の無駄を可視化することです。 収支が把握できていなければ、どこにいくら使っているのかが分からず、どの項目を削減すべきか正確な判断ができません。

家計管理には、家計簿アプリを利用するのが便利です。最近では、銀行口座やクレジットカードと連携し、自動で支出を記録・分類してくれる家計簿アプリも増えています。このような家計簿アプリを利用すれば、時間をかけず簡単に収支を把握できます。まずは1〜2ヶ月間、すべての支出を記録し、意識していない無駄遣いを見つけることから始めましょう。

固定費を見直す

家計の大半を占める固定費を削減すると、長期的に大きな節約効果があります。固定費は1度見直せば継続的に家計を軽くできるため、まず最初に取り組むべき節約ポイントです。

例えば、通信費を大手キャリアから格安SIMに変更したり、電力会社を乗り換えたりするだけで、月数千円ほど削減できます。また、加入しているサブスクや保険など、毎月自動で出ていくお金を中心に、本当に必要か否かをチェックしましょう。

食費や日用品費を抑える

食費は変動費の中でも最も削りやすく、節約の成果が出やすい項目です。 食費は「まとめ買い」と「自炊の工夫」で抑えられます。週ごとの献立を立て、必要な食材だけを購入する習慣をつけましょう。さらに、冷凍保存や作り置きをすれば、食材ロスを防止し外食に頼る回数も減らせます。

日用品は、ドラッグストアやネット通販で、大容量のものをまとめ買いすると割安です。また、クーポンやポイント還元も積極的に活用するといいでしょう。

生活費と貯蓄用の口座を分ける

生活費と貯蓄を同じ口座で管理すると、無意識に使いすぎてしまう原因になります。給与が振り込まれたら、まず一定額を貯蓄専用口座に移す仕組みを作りましょう。「使うお金」と「貯めるお金」を明確に区別することで、自然と支出が抑えられます。目に見える形で貯金が増えると、家計管理のモチベーション維持につながることもメリットです。

複数の口座管理が面倒に感じる人や、銀行へ行く時間がない人は、ネット銀行を利用するのがおすすめです。ネット銀行を使えば、無料または低額の手数料で、自宅にいながら入金手続きができます。

加入している保険を見直す

保険は、内容を理解しないまま加入し続けているケースも多く、過剰な保障内容のせいで無駄な出費が発生しがちです。家族構成やライフステージが変わったら、保障内容を再確認しましょう。

例えば、マイホームを購入し、住宅ローンを組むときには、団体信用生命保険に加入するケースがほとんどです。団体信用生命保険には死亡保障や医療保障が付いているので、生命保険と医療保険の見直しをするといいでしょう。このように、不要な特約を外したり、割安な共済や掛け捨ての保険に切り替えたりすることで、年間数万円の節約が可能になる場合があります。

家賃の安い物件への引越しを検討する

住居費は、家計の中でも大きな割合を占める固定費です。そのため、住居費を見直すことは劇的な節約効果を生みます。転勤や子どもの成長によってライフスタイルが変化したタイミングで、より安い物件への引越しを検討するのもひとつの手です。

駅から少し離れた物件や築年数の古い物件にするだけで、月2〜3万円を削減することもできます。ただし、子どもの通学先が変わる場合は、教育環境や通学の負担も考慮し、慎重に判断する必要があります。

先取り貯金で貯蓄を自動化する

お金を確実に貯めるコツは「残ったら貯める」ではなく「先に貯める」ことです。 給与が振り込まれたら、すぐに一定額を貯蓄口座へ振り分ける「先取り貯金」を実践しましょう。先取り貯金の習慣をつけることで、自然と貯蓄が増える仕組みが完成します。

さらに、定期預金や積立NISAなど、自動で積み立てられる仕組みを活用するのも有効です。ストレスなく自然に貯蓄が増やせます。

4人家族の生活費を抑える際のポイント

節約を成功させるには、やりくりの工夫だけでなく、続けられる工夫も欠かせません。ここでは、無理のない節約を続けるためのポイントを紹介します。

生活レベルを落としすぎない

家族を養ううえで、節約は大切です。しかし、無理に生活レベルを下げすぎると、ストレスが溜まり、結果的に長続きしません。特に成長期のお子さんがいるご家族では、外食やレジャーを我慢しすぎてしまうと、満足度が下がり、結局リバウンド的に大きな浪費をしてしまうこともあります。

そのため、外食やレジャーを完全に我慢するのではなく、回数を減らしたり予算を決めたりしてバランスを取ることが大切です。無駄を省きつつも、家族の心の豊かさを保てるよう、メリハリのある支出を心がけましょう。

必要な費用は確保する

教育費や医療費、保険料など、将来の安心や健康に関わる支出を削りすぎてはいけません。 短期的な節約よりも、長期的な安定を重視することが大切です。

例えば、子どもの教育環境を犠牲にするような節約は、長期的に見て家族の将来の可能性を狭めてしまうデメリットがあります。進学費用や老後資金は、早いうちから積み立てを始めておけば、将来的な負担を軽減しましょう。

目標を設定する

節約を成功させるには「何のために貯めるのか」という明確な目標設定が欠かせません。 「年間100万円貯める」「5年後にマイホーム購入」など、具体的なゴールを家族全員で共有すると、モチベーションを維持できます。

目標が明確であれば、日々の支出に対する意識が向上し「これは目標達成に必要な支出か？」と考える習慣が身につきます。また、目標が具体的であればあるほど、節約への意識も高まるので、数字と期限を決めるのがおすすめです。数字と期限を設定することで、節約の意味がより明確になり、家族一丸となって家計改善に取り組めるようになるでしょう。

4人家族の生活費の実態を知り抑える工夫をしよう

4人家族の平均的な生活費は約32〜36万円です。食費や住居費、教育費の割合が大きい傾向にあり、生活費は子どもの成長とともに変動していきます。節約を始める際は、まず家計の現状を把握し、固定費の見直しから取り組むのが効果的です。また、固定費の見直しと先取り貯金によって貯蓄を自動化することで、無理なく着実に貯蓄を増やしていけます。

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